AxialAxial

向き合うことで
見つかるものがある

塚本 貴明
2013年入社 
店長

佐渡島の想い出を、
背負って。

近所にはスーパーもコンビニもない、佐渡島の漁師町。おじさんおばさんたちが、こぞってお酒やつまみを買いにくる。そこが僕の実家。酒屋の長男として、幼い頃から店番をしたり、親父に連れられて配達にもいった。弟と妹はどう思っていたかわからないけど、僕にとってお店の手伝いは楽しみの一つだった。来る人来る人、みんな笑顔で声をかけてくれ、たまにお小遣いをくれることも。狭くて汚い店だったけど、地域の人に親しまれていた。ただ商品を売るだけでなく、何気ない会話や心遣いで、関係を紡いでいる。子どもながらに、商売の面白さを感じていた。実家の酒屋での想い出が、僕を小売の世界へ導いたのだろう。

就活の時期に差し掛かって、やはり小売を志望していた。店舗経営をしっかり学んでから、実家を継ごうという考えも少なからずあったのだと思う。就活の手始めにOB・OGを訪問して回っていたころ、とあるコンサル企業の社員さんからAxialの話を聞くことができた。東日本大震災のときに、物資をトラックに積み、道路状況もわからないなか、いち早く現地に駆けつけ、支援していたというエピソードに心を打たれた。他にも、会社として目標に誠実に、着実に取り組んでいる姿勢などにも魅力を感じ、自分が挑戦したいのはここだと確信できた。

バックルームにも、
表舞台がある。

無事に内定を得て、最初に配属されたのは、長岡市川崎店の加食住居部門。菓子・食品・酒・住居品など、幅広い商品を取り扱う部門だ。そこで発注業務や売場づくり、お客様応対だけでなく、数値管理、パートナー社員・アルバイトスタッフのマネジメントまで、幅広い業務を学んだ。小さな酒屋にはない、小売の醍醐味だ。そして、Axial特有の、徹底された改善活動を経験する。入社から約2年、当時チーフになっていた僕が取り組んだ改善活動は、在庫商品を積んでおくカートラックの削減。在庫が多くなると、店のバックルームが埋まり、管理が行き届かなくなる。ひどいときには、店頭に並ばないまま期限切れになる商品もあった。フードロスなどの社会問題の解決や作業時間の短縮のためにも、在庫の最少化が全店舗に共通する課題だった。

僕が取り組んだ改善方法はいたって地道なものだった。「とにかく、店頭の商品が売れればすかさず補充する」「販売量に見合った発注を行う」この2つの徹底だ。一見簡単そうにも思えるが、加食住居の商品は1万点以上にも及ぶ。当然、売り上げデータを目安に仕入れを行うが、発注を担うパートナー社員やアルバイトスタッフにとって、在庫が増えることよりも怖いのは欠品すること。予備として在庫を抱えたい気持ちもわかる。こういうときには、定期的に声をかけていくしかない。たった一度、説明しただけではこちらの意図を理解してもらえないし、続かないからだ。マネジメントの難しさは、コミュニケーションの難しさと同義かもしれない。欠品への不安を払拭するために、「僕がフォローしますから」と何度も呼びかけた。そして、最初の呼びかけから3ヶ月。もともと50台近くあったカートラックのうち約10台を削減することに成功した。

僕にできる
パフォーマンスは、
とことん向き合うこと。

他にも、たくさんの改善活動を実践してきた。それが評価されたのであれば嬉しい。僕は20代で店長を任されることになった。まだ店長としての経験も浅く、これまで、加食住居部門しか経験してこなかったため、他部門のことは各部門チーフの方が詳しい。しかし、わからないなりにもできることがある。店長として、販売計画や売上管理などの事務的な仕事もこなすが、なるべくフリーな状態で店内を回ることを大切にしている。売場と、お客様と、スタッフにとことん向き合う。整っていない売場があれば、担当部門のチーフに指摘し、対策を講じてもらう。困っているスタッフには声をかけ、相談に乗る。こちらからは答えを出さず、まずは自分で考える意識を醸成する。本当にいい店は、店長がいなくても運営できる店だと思う。直接手を下さず、みんなに主体的に取り組んでもらう。それが個人の成長にもつながるだろう。

店長になったとほぼ同時期に、僕は父になった。親父の背中を見て、小売の世界を志した僕だからこそ、自分の子どもにも目標とされる父でありたいと思う。子どもが物心ついたころ、僕の背中を見て、かっこいいと思ってくれるだろうか。「小売って楽しそうだな」と思ってくれるだろうか。そんな仕事をしていたい。そのために、いま、何をすべきか。とことん自分と向き合う日々だ。

Be a Performer.

セッションしていると思う瞬間は?

社内だけでなく、社外のさまざまな企業や自治体と協力して、店舗が成り立っているのだと、店長になってから特に実感しています。各メーカー様との共同開発商品の販売や、官公庁の立ち入り検査、長岡祭りといったイベントなど。関わる全ての人のおかげで、店舗を演出できているのだと思います。

学生へのメッセージ

僕の場合は、実家の想い出がいまの仕事につながりました。みなさんも、一度、自分の過去と向き合ってみてはいかがでしょうか。目標や夢が見つかるかもしれません。