AxialAxial

かけがえのない環境を
引き継いでいくために

堂前 恵理
2005年入社 
環境CSR室

環境に配慮できる、
企業を選びたかった。

子どもの頃は活発な方だった。友達と近所の野山を駆け回ったり、川で遊んだり…自然の中での体験がいまにつながっていると思う。大学の農学部に進学し、生物学を学んだ。とある授業の一環で、中山間地域の農家さんを訪れたとき、私がはじめて直面したのは、耕作放棄地の問題。大規模農業が発展していくなかで、小規模な農業は太刀打ちできない状況だった。生産者たちには後継もなく、軒並み離農していったそう。こうした現状を打破したいという農家さん達が、酒米を育て、自分たちでお酒のブランドをつくったり、なんとか地域の伝統を守ろうとしていた。そんな熱い想いに感銘を受け、私にも何かできることはないだろうか、と考えるようになっていた。

就活の時期にさしかかったとき、最初は農作物を扱う仕事に就きたいと思った。新潟で農業と関わりを持てる仕事はないか。調べていくなかで、意外にも原信が、店舗で出た野菜クズを農家さんに還元していることを知る。食品廃棄で出た野菜クズを、堆肥としてリサイクルし、育った野菜の一部を仕入れていたのだ。さらに、企業研究を進める中で、環境活動に積極的で、環境専門の部署があることもわかった。新潟県で一番の売上げを誇るスーパーマーケットともなれば、地域に与える影響力も大きいはず。ここで、自分の経験を活かしたい。そう思うようになっていた。

わからないこと
だらけの部署で。

入社後には希望していた青果部門に配属され、それから3年後に環境CSR室という部署で働きはじめた。CSRとはCorporate Social Responsibilityの頭文字をとったもので、従業員が働きやすい環境をつくったり、地域社会に貢献し、地球環境に配慮した活動をするための部署。主な仕事は、ISO14001の運用管理。ISO14001は、環境マネジメントに対する国際的な認証のこと。一見スーパーマーケットとは結びつかない活動かもしれない。たとえば、食品廃棄物・食品ロス、レジ袋・容器包装の削減や再生利用など小売企業が直面している課題は山のようにある。環境CSR室では、環境への負荷を低減させるための枠組みをつくり、社内外に周知し、ときには環境教育を行う。また、最近になって取り上げられるようになったSDGs(Sustainable Development Goals“持続可能な開発目標”)にも積極的に取り組んでいる。もともと環境に関心のあったものの、最初は右も左もわからない状態だった。

配属されてはじめての仕事は、毎年Axialが発行しているCSRレポートの作成だった。取引先企業様など外部に向けたレポートで、CO2の削減量、資源回収量の推移など環境活動の進捗や、小学生の社会科見学やお祭りへの協賛といった地域での取り組みを報告するためのツール。さまざまな部署への聞き込みや取材から、記事・デザインの作成、刊行まで一貫して手がけることになったものの…。リサイクル業者さんとの打ち合わせでは、専門用語ばかりが飛び交い、あたふたして恥ずかしい思いをしたこともある。私が知識不足なために、うまく説明できず、協力を渋られたりもした。でも、心が折れそうになっても、なんとか発行まで辿りつけたことが自信につながった。

この先を担う世代に、
引き継いでいく。

しかし、環境活動はなかなか浸透しないのが現状。「環境を守ろう」とだけいっても、理解は得られない。いわずもがな、企業は営利目的で活動しているため、店長や役職者は、それぞれが数値管理を担うことになる。少しでも利益を増やしたいと思うのは当然のこと。環境活動は直接利益に結びつかないことが多く、後回しになりがち。だからこそ、私たち環境CSR室は、環境活動がいかに、社内外にメリットをもたらすかということを、しっかりと説明していかなければいけない。たとえば、食品廃棄物を減らせば、仕入れや在庫のコストを減らすことができる。これは店舗としても嬉しいこと。環境と営利をうまく結びつけて、社内のモチベーションを高めていくことを大切にしている。

これまでで、一番印象に残っている仕事は、学校からの依頼で、小学3年生を対象に、Axialの活動を紹介したこと。総合学習の一環で、フードロスについて学んでもらった。目をキラキラさせながら話を聞いてくれて、授業が終わると、いろんな質問をしたり、感想を聞かせてくれた。Axialの出店エリアである新潟・長野・富山は、自然の美しい地域。このかけがえのない自然を、この先を担う世代にも引き継いでいきたいと思う。

Be a Performer.

セッションしていると思う瞬間は?

環境活動は社内を巻き込んで行います。たとえば、海洋プラスチック汚染問題に対しては、バイヤーの方にペットボトル容器のプラ量の低減を依頼。また、店舗の緑地化(目標:敷地面積5.5%)を進めるためには店舗開発部の協力が必要です。さまざまな部署と一緒に取り組みを進めるたび、sessionしていると感じます。

学生へのメッセージ

実際に働いてみないとわからないことがほとんどですが、もし気になる職業があるなら、現場で活躍している社員の話を聞きにいくなど、さまざまな角度から見てみるのがいいと思います。